配信を始めるたびに、OBS、LiveSplit、Discord、ブラウザー、コメント表示ツールなどを1つずつ起動するのは手間がかかります。
Stream Deckの「マルチアクション」を使えば、複数のアプリやファイル、フォルダー、Webページを1つのキーから順番に開けます。
この記事では、Windows版のStream Deckアプリを想定し、複数アプリを1ボタンで起動する方法と、起動順・待機時間・トラブル時の確認項目を解説します。
完成イメージ
たとえば「配信準備」という1つのキーを押したときに、次の順番で処理できます。
- OBS Studioを起動する
- 1秒待つ
- LiveSplitを起動する
- Discordを起動する
- Twitchダッシュボードをブラウザーで開く
起動するアプリ数や順番は自由に変更できます。配信以外でも、仕事用ソフト、ゲーム用ランチャー、編集ソフト一式などをまとめて起動できます。
マルチアクションを作成する
まず、複数の処理をまとめる「マルチアクション」をStream Deckのキーへ配置します。
- Stream Deckアプリを開く
- 空いているキーを右クリックする
- 「マルチアクション」を選ぶ
- キー名を「配信準備」など分かりやすい名前にする
右側のアクション一覧にある「マルチアクション」を、空いているキーへドラッグして作成する方法でも構いません。
1つ目のアプリを登録する
マルチアクションの編集画面を開き、起動したいアプリを追加します。
- 右側のアクション一覧から「システム」を開く
- 「開く」または「アプリケーションを開く」をマルチアクション内へドラッグする
- フォルダーまたはファイル選択ボタンを押す
- 起動したいアプリの実行ファイルを選ぶ
「開く」アクションは、アプリだけでなくファイルやフォルダーも開けます。対象のファイルを設定欄へドラッグ&ドロップして登録することもできます。
複数のアプリを追加する
1つ目と同じ手順で、「開く」アクションを必要な数だけ追加します。
| 順番 | アクション | 設定例 |
|---|---|---|
| 1 | 開く | OBS Studio |
| 2 | 遅延 | 1000ms |
| 3 | 開く | LiveSplit |
| 4 | 開く | Discord |
| 5 | Webサイト | Twitchダッシュボード |
マルチアクション内では、各処理が上から順番に実行されます。順番を変えたい場合は、アクションをドラッグして並べ替えてください。
起動間隔を空ける
複数の重いアプリを一度に起動すると、PCへ負荷がかかり、起動に失敗したり、後続の処理が早すぎて正しく動かなかったりすることがあります。
その場合は、アクション間に「遅延」を追加します。
- アクション一覧の「マルチアクション」を開く
- 「遅延」を、待ち時間を入れたい場所へドラッグする
- 待機時間をミリ秒で設定する
1000msは1秒、2000msは2秒です。まずは重いアプリのあとへ1000~3000ms程度を入れ、必要に応じて調整すると分かりやすいです。
Stream Deckでは、マルチアクション内の処理間隔も調整できます。処理が抜ける場合は、間隔を短くするのではなく、十分な待ち時間を入れて確認してください。
Webページも同時に開く
Twitchダッシュボード、YouTube Studio、配信管理ページ、スプレッドシートなどは、「Webサイト」アクションで開けます。
- 「システム」から「Webサイト」を追加する
- 開きたいページのURLを入力する
- マルチアクション内の任意の位置へ配置する
通常はOSの既定ブラウザーで開きます。ログインが必要なページは、あらかじめブラウザー側でログイン状態を確認しておくとスムーズです。
アプリの場所が分からない場合
デスクトップにショートカットがある場合は、ショートカットを「開く」アクションの設定欄へドラッグして登録できることがあります。
実行ファイルの場所を確認する場合は、Windowsで次の手順を使います。
- スタートメニューで対象アプリを検索する
- アプリを右クリックする
- 「ファイルの場所を開く」を選ぶ
- 表示されたショートカットを確認する
Microsoft Store系のアプリなど、一部は通常の実行ファイルを指定しにくいことがあります。その場合はスタートメニューのショートカットやURI、別の起動方法を使います。
同じアプリがすでに起動している場合
アプリによって動作が異なります。
- 既存ウィンドウが前面に出る
- 何も起きない
- 新しいウィンドウが開く
- 同じアプリが二重起動する
二重起動を避けたい場合は、対象アプリ側の「複数起動を許可しない」設定を確認します。Stream Deckの標準的な「開く」アクションは、アプリが起動済みかどうかを細かく判定して条件分岐する機能ではありません。
起動と終了を1つのキーへまとめたい場合
1回目で起動、2回目で終了という動作にしたい場合は、「マルチアクション切り替え」を使う方法があります。
1つ目の状態にはアプリの起動処理、2つ目の状態には「閉じる」アクションを登録します。ただし、保存前のデータがあるアプリを強制終了しないよう注意してください。
OBSや編集ソフトの終了は、録画・配信・書き出しが止まっていることを確認してから手動で行う方が安全です。
配信準備ボタンの設定例
配信で使う場合は、次のような構成から始めると扱いやすくなります。
| 順番 | 処理 | 目的 |
|---|---|---|
| 1 | OBS Studioを開く | 配信・録画ソフトを起動 |
| 2 | 2000ms待つ | OBSの起動待ち |
| 3 | LiveSplitを開く | タイマーを起動 |
| 4 | Discordを開く | 通話・連絡用 |
| 5 | Twitchダッシュボードを開く | 配信管理 |
| 6 | 配信予定メモを開く | タイトル・進行確認 |
いきなり配信開始や録画開始まで自動化せず、まずは必要なアプリを開くだけにしておくと、誤操作を防ぎやすくなります。
うまく起動しないときの確認項目
- 登録した実行ファイルやショートカットが移動・削除されていないか
- 対象アプリが更新され、保存場所が変わっていないか
- 遅延時間が短すぎないか
- Stream Deckアプリが起動しているか
- 管理者権限で動くアプリと権限が合っているか
- セキュリティソフトが起動を止めていないか
- 同じアプリを複数回登録していないか
管理者権限で実行しているアプリをStream Deckから操作できない場合は、権限の差が影響することがあります。必要性を確認したうえで、Stream Deckアプリ側の実行権限を合わせてください。
マルチアクション内にマルチアクションは入れられない
Stream Deckのマルチアクション内へ、別のマルチアクションを入れ子にすることはできません。
処理が多くなりすぎた場合は、用途ごとにキーを分ける、フォルダーを使う、処理内容を整理する、といった方法で管理しやすくします。
設定をバックアップしておく
複数アプリの起動設定を作り込んだあとは、Stream Deckのプロファイルをバックアップしておくと安心です。
アプリの再インストールやPC移行に備え、プロファイルのエクスポート方法も確認しておきましょう。
まとめ
Stream Deckで複数アプリを同時起動する基本手順は次のとおりです。
- 空いているキーへマルチアクションを作る
- 「開く」アクションでアプリを登録する
- 必要な数だけアプリやWebサイトを追加する
- 重いアプリの間へ遅延を入れる
- 1ボタンで正しく起動するか確認する
最初はアプリを開くだけのシンプルな構成にし、安定してからWebページやホットキーなどを追加すると、原因を切り分けやすくなります。



