OBS Studioでゲーム音は入っているのに、マイクだけ無音になることがあります。音声ミキサーにマイクが表示されない、メーターが動かない、OBSでは動くのに配信や録画には入らない、といった症状です。
原因は、マイク本体のミュート、OBSで別の入力デバイスを選んでいる、Windowsがマイクを認識していない、マイクへのアクセス権限が無効、録画トラックから外れているなど、複数の場所に分かれています。
この記事では、Windows 10・Windows 11版のOBS Studioを対象に、簡単に確認できる項目から順番に切り分けます。
最初に症状を切り分ける
| 症状 | 考えられる原因 | 最初に確認する場所 |
|---|---|---|
| 音声ミキサーにマイクがない | 入力デバイス未設定、ソース未追加 | OBSの音声設定、音声入力キャプチャ |
| マイクはあるがメーターが動かない | 別デバイス、物理ミュート、Windows側の問題 | マイク本体、Windowsの入力テスト |
| メーターは動くが配信に入らない | ミュート、モニタリング、配信用トラック | 音声ミキサー、音声の詳細プロパティ |
| 配信には入るが録画に入らない | 録画トラックの割り当て | 出力設定、音声の詳細プロパティ |
| 音が小さすぎる | 入力音量、ゲイン、マイクとの距離 | Windows入力音量、マイク本体、OBSフィルター |
| 音が途切れる | ノイズゲート、USB・Bluetooth接続 | OBSフィルター、接続状態 |
OBSの音声ミキサーを確認する
マイクへ話しかけながら、OBS下部の「音声ミキサー」を見ます。「マイク」「マイク音声」「Mic/Aux」などのメーターが動いているか確認してください。
- マイクへ普段の声量で話す
- マイクに対応するメーターが動くか確認する
- スピーカーアイコンがミュート表示になっていないか確認する
- 音量スライダーが一番下まで下がっていないか確認する
メーターが動いていれば、OBSはマイク音を受け取っています。配信・録画だけ無音の場合は、後半の「音声トラック」と「モニタリング」を確認してください。
メーターがまったく動かない場合は、次の項目でOBSが使用する入力デバイスを確認します。
OBSで正しいマイクを選ぶ
OBSのグローバル音声デバイスとしてマイクを使う場合は、次の場所で設定します。
- OBS右下の「設定」を開く
- 左側の「音声」を選ぶ
- 「グローバル音声デバイス」を確認する
- 「マイク音声」で使用するマイクを選ぶ
- 「適用」→「OK」を押す
「既定」を選ぶと、Windowsで既定の入力デバイスに設定されているマイクを使用します。USBマイク、ヘッドセット、Webカメラ内蔵マイクなどが複数ある場合は、製品名を明示的に選ぶ方が切り分けやすくなります。
音声入力キャプチャとして追加する
シーンごとにマイクを管理したい場合は、「音声入力キャプチャ」ソースとして追加します。
- OBSの「ソース」欄で「+」を押す
- 「音声入力キャプチャ」を選ぶ
- 「新規作成」を選び、分かりやすい名前を付ける
- 使用するマイクを選択する
- 音声ミキサーのメーターが動くか確認する
グローバル音声デバイスと音声入力キャプチャの両方で同じマイクを取り込むと、声が二重になったり、わずかにずれて聞こえたりすることがあります。同じマイクは原則として1つの方法だけで取り込んでください。
マイク本体のミュートと接続を確認する
USBマイクやヘッドセットには、物理的なミュートボタン、タッチ式ミュート、ゲインノブが付いていることがあります。
- マイク本体のミュートランプを確認する
- ヘッドセットのケーブル途中にあるミュートスイッチを確認する
- ゲインノブが最小になっていないか確認する
- USBケーブルを抜き差しする
- USBハブを外し、PCへ直接接続する
- 3.5mm端子の場合は、マイク端子とヘッドホン端子を間違えていないか確認する
接続し直したあとは、OBSのデバイス一覧でマイクを選び直してください。抜き差しによってデバイス名や識別情報が変わる場合があります。
Windowsでマイクをテストする
OBSを確認する前に、Windows自体がマイク音を受け取れているかテストします。
- Windowsの「設定」を開く
- 「システム」→「サウンド」を開く
- 「入力」で使用するマイクを選ぶ
- マイクへ話しかけ、入力レベルが動くか確認する
- 必要に応じて入力音量を調整する
Windows側でも入力レベルが動かない場合は、OBSではなく、マイク本体、接続、ドライバー、Windows設定側の問題を優先して確認します。
Windows側では動くのにOBSだけ動かない場合は、OBSで選択しているマイクが異なるか、OBSのソース設定に問題がある可能性が高くなります。
Windowsのマイク権限を確認する
Windowsのプライバシー設定でマイクへのアクセスが無効になっていると、OBSがマイクを使用できない場合があります。
- Windowsの「設定」を開く
- 「プライバシーとセキュリティ」を開く
- 「マイク」を開く
- 「マイクへのアクセス」をオンにする
- 「アプリにマイクへのアクセスを許可する」をオンにする
- 「デスクトップアプリにマイクへのアクセスを許可する」をオンにする
設定を変更したあとはOBSを再起動し、音声ミキサーを再確認してください。
ほかのアプリを終了して確認する
Discord、Zoom、Teams、ブラウザー、メーカー専用ソフトなどが同じマイクを使用している場合は、いったん終了してOBSだけで確認します。
- マイクを使用しそうなアプリを終了する
- OBSを終了する
- マイクを抜き差しする
- OBSだけを起動する
- 正しいマイクを選び直す
改善した場合は、ほかのアプリの入力デバイスや音声設定との競合を疑います。アプリごとに同じマイクを選び直してください。
音が小さい場合の調整
メーターは動くものの声が小さい場合は、マイクに近づき、マイク本体またはWindowsの入力音量を先に調整します。
- マイクと口の距離を近づける
- マイクの正面方向を確認する
- 本体のゲインを少しずつ上げる
- Windowsの入力音量を確認する
- 最後にOBSの「ゲイン」フィルターで微調整する
OBS公式の音声ミキサーガイドでは、まずマイク本体やWindows側など、信号の入口から順番に調整する方法が案内されています。OBSのゲインだけを大きく上げると、環境音やノイズも一緒に増えるため注意してください。
ノイズゲートで声が途切れていないか確認する
話し始めが消える、小声だけ入らない、語尾が途中で切れる場合は、「ノイズゲート」や「エキスパンダー」の設定が強すぎる可能性があります。
- 音声ミキサーでマイクの歯車を押す
- 「フィルタ」を開く
- ノイズゲート、エキスパンダー、ノイズ抑制を一時的に無効にする
- 声が途切れず入るかテストする
フィルターを無効にすると直る場合は、しきい値を緩めて調整します。ノイズ抑制は軽い環境ノイズの低減には役立ちますが、大きな騒音を完全に消す用途には向いていません。
メーターは動くのに配信や録画へ入らない場合
OBS上でマイクのメーターが動いている場合、入力自体はできています。次に音声トラックとモニタリングを確認します。
- 音声ミキサーの歯車を押す
- 「音声の詳細プロパティ」を開く
- マイクの行で、配信・録画に使用するトラックへチェックがあるか確認する
- 音声モニタリングが「モニターのみ(出力はミュート)」になっていないか確認する
「モニターのみ(出力はミュート)」では、自分のヘッドホンには聞こえても配信・録画へは出力されません。通常は「モニターオフ」、自分でも聞く必要がある場合は「モニターと出力」を使います。
録画にだけマイクが入らない場合
配信では聞こえるのに録画だけ無音の場合は、録画に使用する音声トラックと、マイクへ割り当てたトラックが一致しているか確認します。
- OBSの「設定」→「出力」を開く
- 出力モードが「詳細」の場合は「録画」タブを開く
- 録画する音声トラック番号を確認する
- 「音声の詳細プロパティ」で、マイクにも同じ番号のチェックを入れる
一般的な動画プレーヤーでは複数音声トラックのうち1本だけが再生される場合があります。確認時は、ゲーム音とマイク音をトラック1にも入れておくと判断しやすくなります。
音割れ・ノイズ・音の異常がある場合
マイク音は入るものの、音割れ、歪み、ノイズ、途切れがある場合は、入力レベルと接続を確認します。
- マイク本体のゲインを上げすぎていないか
- OBSのメーターが赤色へ頻繁に入っていないか
- USBハブや延長ケーブルを外す
- 別のUSBポートへ接続する
- Windowsのオーディオ拡張機能を無効にして比較する
- オーディオドライバーを更新する
音量の急なピークを抑えたい場合はコンプレッサー、0dBを超えるピークを防ぎたい場合はリミッターを利用できます。ただし、フィルターを追加する前に、マイク本体の入力レベルを適切に整えることが先です。
テスト録画で最終確認する
設定変更後は、配信を始める前に短いテスト録画を行います。
- ゲーム音を鳴らしながら普段の声量で話す
- 小声と大きめの声も入れてみる
- 30秒から1分ほど録画する
- 録画ファイルを再生し、ゲーム音とマイク音を確認する
- 左右どちらかだけから聞こえないか、音割れや途切れがないか確認する
OBS公式も、本番前に数分間のテスト録画・配信を行うことを推奨しています。
それでもマイク音が入らない場合
- Windowsのサウンドレコーダーで録音できるか確認する
- 別のPCまたは別のマイクで比較する
- メーカー専用ソフトで認識されるか確認する
- デバイスマネージャーで警告マークがないか確認する
- マイク、USBケーブル、変換アダプターの交換を試す
- OBSのログを取得し、公式フォーラムやメーカーサポートへ相談する
Windows側でも録音できない場合は、OBSの設定を繰り返し変更するより、マイク本体・接続・ドライバーを優先して確認してください。
まとめ
OBSでマイク音が入らないときは、次の順番で確認すると原因を絞りやすくなります。
- OBSの音声ミキサーでメーターを確認する
- OBSで正しいマイクを選ぶ
- 物理ミュート、接続、ゲインを確認する
- Windowsの入力テストとマイク権限を確認する
- OBSのフィルター、モニタリング、音声トラックを確認する
- 短いテスト録画で最終確認する
まず「Windowsでマイクが動くか」「OBSのメーターが動くか」の2段階で確認すると、Windows側とOBS側のどちらに原因があるか判断しやすくなります。
関連記事
参考資料
- OBS Project「Quick Start Guide」
- OBS Project「Audio Mixer Guide」
- OBS Project「Audio Sources」
- OBS Project「Filters Guide」
- OBS Project「Multiple Audio Track Recording Guide」
- Microsoft「How to set up and test microphones in Windows」
- Microsoft「Turn on app permissions for your microphone in Windows」
- Microsoft「Update audio drivers in Windows」



