OBS Studioで、マイクの声が二重に聞こえる、ゲーム音が少し遅れて重なる、配信中だけエコーが発生するといった症状があります。
この症状は、同じ音を2つ以上の経路で取り込んでいるか、OBSでモニターした音を再びデスクトップ音声として取り込んでいる場合に起こりやすくなります。
この記事では、Windows版のOBS Studioを対象に、視聴ページ、音声ソース、モニタリング、Windowsやオーディオ機器の設定を順番に切り分けます。
- 最初に症状を切り分ける
- 配信の視聴ページをミュートする
- OBSの音声ミキサーで同じ音が複数動いていないか確認する
- デスクトップ音声とアプリケーション音声キャプチャの重複を確認する
- マイクを二重に追加していないか確認する
- キャプチャーボードの音声を二重に取り込んでいないか確認する
- 同じソースを複数のシーンや入れ子シーンで使っていないか確認する
- 音声モニタリングの設定を確認する
- モニター出力先がデスクトップ音声へ戻っていないか確認する
- Windowsやオーディオ機器側のモニター機能を確認する
- Discordや通話アプリの返し音を確認する
- 同期オフセットを確認する
- 最小構成でテストする
- テスト録画で確認する
- それでも解決しない場合
- まとめ
- 関連記事
- 参考資料
最初に症状を切り分ける
| 症状 | 考えられる原因 | 最初に確認する場所 |
|---|---|---|
| 配信中だけ遅れて声が返る | 配信視聴ページの音声 | ブラウザー・スマートフォンの再生音 |
| 録画にも同じ音が2回入る | 同じ音声の重複取り込み | OBSの音声ミキサーとソース |
| 自分のヘッドホンだけ二重に聞こえる | OBSと機器側の両方でモニター | 音声モニタリング、マイク・オーディオIF |
| ゲーム音がわずかにずれて重なる | デスクトップ音声と個別キャプチャの併用 | グローバル音声、アプリ音声キャプチャ |
| マイクだけ二重になる | グローバルマイクと入力ソースの重複 | OBS設定と音声入力キャプチャ |
| 反響が繰り返し続く | 音声フィードバックループ | モニター出力先と取り込み先 |
配信の視聴ページをミュートする
配信中に自分の配信ページを開いている場合は、最初にその再生音をミュートします。
- TwitchやYouTubeの視聴ページをミュートする
- 配信確認用のスマートフォンやタブレットも消音する
- 別のPCで確認している場合は、スピーカー音をマイクが拾っていないか確認する
配信には数秒程度の遅延があるため、視聴ページの音声が有効だと、自分の声やゲーム音が遅れて返ってきます。OBSの設定を変更する前に、視聴ページを閉じるかミュートして症状が消えるか確認してください。
OBSの音声ミキサーで同じ音が複数動いていないか確認する
ゲーム音やマイクへ音を入れながら、OBSの音声ミキサーを確認します。同じタイミングで複数のメーターが動いていないかを見てください。
- ゲーム音を鳴らす、またはマイクへ話しかける
- 音声ミキサーで動くメーターを確認する
- 同じ音に反応しているソースを1つずつミュートする
- 二重音が消えるソースを特定する
原因を確認するときは、ソースを削除せず、まずミュートで比較します。原因が分かってから不要な取り込み方法を無効化または削除してください。
デスクトップ音声とアプリケーション音声キャプチャの重複を確認する
同じゲーム音を「デスクトップ音声」と「アプリケーション音声キャプチャ」の両方で取り込むと、音が二重になります。
OBS Studio 28以降のWindows版では、アプリごとの音声キャプチャを利用できます。またOBS Studio 30.1以降では、ゲームキャプチャやウィンドウキャプチャへ音声を含める方法もあります。
- デスクトップ音声
- アプリケーション音声キャプチャ
- ゲームキャプチャの音声
- ウィンドウキャプチャの音声
- 音声出力キャプチャ
同じゲーム音を複数の方法で取り込んでいないか確認し、原則として1つの経路だけ残します。
マイクを二重に追加していないか確認する
マイクは、OBSのグローバル音声デバイスと「音声入力キャプチャ」の両方から取り込めます。両方で同じマイクを選ぶと声が重複します。
- OBSの「設定」→「音声」を開く
- 「グローバル音声デバイス」のマイク音声を確認する
- シーン内に「音声入力キャプチャ」がないか確認する
- 同じマイクが両方に設定されている場合は、どちらか一方を無効にする
すべてのシーンで同じマイクを使うならグローバル音声、シーンごとに管理したいなら音声入力キャプチャというように、運用方法を統一すると重複を防ぎやすくなります。
キャプチャーボードの音声を二重に取り込んでいないか確認する
キャプチャーボードでは、次のような組み合わせでゲーム音が重複することがあります。
- 映像キャプチャデバイスの音声とデスクトップ音声
- キャプチャーボード本体の音声と音声入力キャプチャ
- メーカー専用ソフトの再生音とOBS側の直接音声
- 同じキャプチャーボードを複数のソースとして追加
メーカーソフトでゲーム音をPCへ再生し、そのPC音をデスクトップ音声で取り込みながら、OBSでもキャプチャーボード音声を直接取り込むと二重になります。
どちらの経路を使用するか決め、不要な方をミュートまたは無効化してください。
同じソースを複数のシーンや入れ子シーンで使っていないか確認する
OBSでは、別のシーンをソースとして追加できます。入れ子にしたシーンと現在のシーンの両方へ同じ音声ソースがあると、重複して聞こえる場合があります。
- 現在のシーンにマイクや音声ソースがある
- 追加した別シーンにも同じ音声ソースがある
- 同じキャプチャーボードを新規ソースとして複数作成している
シーンを切り替えても共通で使う音声は、1か所にまとめて参照するなど、構成を整理してください。
音声モニタリングの設定を確認する
OBSの音声モニタリングは、配信・録画とは別に、OBSへ入った音を自分のヘッドホンやスピーカーへ返す機能です。
- 音声ミキサーの歯車を押す
- 「音声の詳細プロパティ」を開く
- 対象音声の「音声モニタリング」を確認する
| 設定 | 自分への再生 | 配信・録画への出力 |
|---|---|---|
| モニターオフ | OBSからは再生しない | 出力する |
| モニターのみ(出力はミュート) | 再生する | 出力しない |
| モニターと出力 | 再生する | 出力する |
マイクやゲーム音を機器側ですでに直接モニターしている場合は、OBSでも「モニターと出力」にすると、自分の耳には二重に聞こえることがあります。その場合は「モニターオフ」で確認してください。
モニター出力先がデスクトップ音声へ戻っていないか確認する
OBSでモニターした音を、OBSがデスクトップ音声として再び取り込むと、音声ループが発生することがあります。
- OBSの「設定」→「音声」を開く
- 「詳細設定」のモニタリングデバイスを確認する
- OBSでデスクトップ音声として取り込んでいるデバイスと同じになっていないか確認する
- 必要に応じて、別のヘッドホン出力や専用のモニター先へ変更する
同じ出力デバイスをモニター先とデスクトップ音声の取得先に使う場合は、どの音をモニターするかを限定し、ループしない構成にしてください。
Windowsやオーディオ機器側のモニター機能を確認する
Windows、USBマイク、オーディオインターフェース、ミキサー、専用ソフトには、入力音をヘッドホンへ返す機能がある場合があります。
- マイク本体のダイレクトモニター
- オーディオインターフェースのDIRECT MONITOR
- メーカー専用ソフトのモニター機能
- Windowsの入力音声を再生する設定
- 仮想ミキサーのループバックやバス出力
機器側の遅延がほとんどない音と、OBS経由で少し遅れたモニター音を同時に聞くと、二重や反響のように感じます。モニターは原則として1つの経路に統一してください。
Discordや通話アプリの返し音を確認する
Discord、Zoom、ゲーム内ボイスチャットなどの通話音声を取り込む場合、相手側のスピーカー音をマイクが拾ったり、自分の声が通話アプリから返ってきたりすることがあります。
- スピーカーではなくヘッドホンを使う
- 通話アプリの入力・出力デバイスを確認する
- ボイスチャットのマイクテストや返し音を終了する
- OBSと通話アプリで仮想音声デバイスの経路を整理する
OBSの録画では正常なのに通話時だけ反響する場合は、OBSより通話アプリや相手側の再生環境を優先して確認します。
同期オフセットを確認する
同じ音が2つの経路から入っている状態で、片方に同期オフセットが設定されていると、はっきりした遅延やエコーとして聞こえます。
- 「音声の詳細プロパティ」を開く
- 「同期オフセット」の値を確認する
- 意図せず大きな値が入っている場合は0msへ戻して比較する
同期オフセットは映像と音声のずれを調整する機能です。音声経路が1つだけなら通常は二重音の原因になりませんが、重複した2経路の差を大きくすることがあります。
最小構成でテストする
原因が分からない場合は、新しいシーンを作り、必要最低限のソースだけでテストします。
- 新しい空のシーンを作る
- 映像ソースを1つだけ追加する
- マイクまたはゲーム音を1つの方法だけで追加する
- 音声モニタリングを「モニターオフ」にする
- 短いテスト録画を行う
最小構成で正常なら、普段のシーンへソースを1つずつ戻し、二重音が再発した時点の設定を確認してください。
テスト録画で確認する
配信視聴ページや自分のモニター音だけでは判断しにくいため、短い録画ファイルを確認します。
- 視聴ページと通話アプリを閉じる
- 10秒から30秒ほど録画する
- マイクとゲーム音をそれぞれ鳴らす
- 録画ファイルを再生する
- 録画にも二重音があるか確認する
録画は正常で、配信中に自分が聞く音だけ二重なら、視聴ページまたはモニタリング側の問題です。録画にも二重で入っていれば、OBSや音声機器で同じ音を複数取り込んでいます。
それでも解決しない場合
- OBSとPCを再起動する
- 不要な仮想音声デバイスを一時的に無効化する
- USBマイクやオーディオインターフェースをPCへ直接接続する
- メーカー専用ソフトのルーティングを初期状態へ戻す
- OBSのログを取得して公式フォーラムで確認する
設定をまとめて変更すると原因が分からなくなるため、音声ミキサーを見ながら1つずつ無効化して確認してください。
まとめ
OBSで音が二重になる、反響する場合は、次の順番で確認すると原因を絞りやすくなります。
- 配信の視聴ページをミュートする
- 音声ミキサーで同じ音に反応するソースを探す
- デスクトップ音声と個別音声キャプチャの重複を解消する
- マイクとキャプチャーボードの二重登録を確認する
- OBSと機器側のモニターを1つに絞る
- 短いテスト録画で、配信だけの問題か録画にも入る問題か判断する
最も多いのは、同じ音を2つの方法で取り込んでいるケースと、モニターした音を再びOBSへ戻しているケースです。まず音声ソースを1つずつミュートし、どの経路で二重になっているかを確認してください。



